バウハウスといわれると、ついつい観に行ってしまう。日曜午後のお昼寝タイムにこっそり抜け出す私。汐留ミュージアムは小さな美術館で、他階はパナソニックの住宅設備の展示がされているような商業的な場所。
際限のない家事から女性を解放できるよう、キッチンを独立し、効率よく機能的な台所まわりのもののみ配置したとのことで、会場の一部にそのキッチンも再現されていた。当時のデモンストレーションVTRで、女性が料理したりテーブルを出したり、家事が楽になって余る時間にソファベッドでゆったり本を読み、おしかけてきた友達とはベッドをソファに早変わりさせてお茶をしたりというシナリオがおかしかった。ライフスタイルの提案なわけだが、女性ってお茶してゆっくりするのが永遠のテーマなのね。
ひとつ、印象に残った雑誌の白黒写真、エーリッヒ・メンデルスゾーン」《新しい家—新しい世界》の1ページ。テーブルに配置された、いくつかのガラス食器と皿の上のカトラリー、それらの影と、格子柄のようなテーブルクロスの畳み跡。楽譜のように美しかった。カンディンスキーの絵画にも通じるけど、ものの影や、光が描く輪郭、身の回りのさまざまなコンポジションの美しさは生活のなかにある。それに自覚的であれ、という提案だと感じた。恐れ入りました。