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ATELIER YAUYAU
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展覧会鑑賞:三嶋安住「そのまま」@アトリエ・アンジュ
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今週火曜夜、安住君のママの三嶋りつ恵さんから「展覧会をするからDMを送るね!」と連絡を受けた。急な案内で驚いたが、木曜にポストに20cm角にもなる大きなDMを発見したとき、その絵に胸が高鳴った。無数の花、小さな丸、中央の大輪を囲む鳥。アウトサイダーアートを研究する美術館時代の同僚と訪問。

彼との出会いは1999年のベネチア。ビエンナーレのボランティアスタッフとして入った私は、現地在住のりつ恵さんにいろいろ世話してもらって楽しい日々を送っていた。自閉症の彼が描く絵のすごさに早くから気づいていたりつ恵さんは、とあるギャラリーの人が彼の絵をリーフレットにしたものをうれしそうに見せてくれた。当時の私は小学生の安住君とどう接して良いのか分からず、距離を置いて様子を見ていた。彼は2005年から日本を好んで移り住み、近年は神保町に構えたアトリエで絵を描く日常が続いた。今日もアトリエに着いたとき、制作しているところを少し見られた。その後、りつ恵さんに促され挨拶をして出て行った。

ペンで描いた細密な絵、墨の勢いある絵、油絵の具の風景や生き物たちと、彼独特の日本語による作品タイトル。装丁はりつ恵さんによりすっきりとしているが、作品はあたたかく、面白い。正直、彼の絵から受ける感動は、私の言語で語りきれない次元にあると思えて仕方ない。りつ恵さんが、「安住は漢字も波動で感じている」というように。

彼の絵をもとに「神せいふくろう」と名付けられた刺繍ワッペンを作成したというので購入した。私もふくろうマークだから縁も感じ、イベント参加の際に着る服に縫い着けようと思う。彼の画家としての活動を支えているのは、その素晴らしさを育み続けた母あってのもの。自己実現を大股に突き進んでいくだけでもすごいのに、安住君の夢も一緒に見ているりつ恵さんには、人生のお手本にしたいバイタリティを感じる。
私もN君の歳月に大きな夢を見ていたいなと。
自分の夢の歩みとともに。
by atelieryauyau | 2011-06-25 23:51 | arts & life | Comments(0)
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